Fee Increase Guide
「値上げしたいけど、生徒が辞めてしまうのが怖い」——
タイミング・金額・伝え方まで、失礼なく値上げするための具体的な方法をまとめました。
「値上げしたら生徒が辞めてしまうかもしれない」——この不安が、多くの個人講師を何年も足止めしています。
長年通ってくれている生徒との関係が深いほど、「今さら値上げの話をするのは気まずい」という心理が働きます。その結果、開業当初のまま何年も月謝を据え置いている教室は少なくありません。
しかし、その間にも家賃・光熱費・教材費といった運営コストは上昇し続けています。月謝を据え置くということは、実質的には毎年少しずつ収入が目減りしていることと同じです。「値上げしない」という選択も、実は先生自身が静かにコストを負担し続けているという意味では、決して中立的な選択ではありません。
ポイント — 据え置くほど値上げしにくくなる
開業から年数が経つほど、「今のままでいい」という空気が固定化し、値上げの話を切り出すハードルは上がっていきます。値上げは早く小さく行うほど、生徒にとっても先生にとっても負担が小さくて済みます。
同じ値上げでも、タイミング次第で生徒の受け取り方は大きく変わります。
値上げは「唐突感」が最大の反発を生みます。生徒・保護者が心の準備をできる時期を選び、十分な予告期間を設けることが、円満な値上げの基本です。
値上げ幅は「大きすぎず、意味のある金額」であることが大切です。
一般的な目安は、月500〜1,000円程度の値上げです。急激な値上げは生徒・保護者に大きな負担感を与え、退会のきっかけになりかねません。一方で、あまりに小さすぎる値上げは、手間の割に収入改善につながりにくいという側面もあります。
伝え方ひとつで、値上げへの納得感は大きく変わります。正直に、丁寧に、そして感謝を添えて伝えることが基本です。
口頭での説明は、その場で質問や不安に答えられる一方、後から「言った・言わない」の行き違いが起きやすい面もあります。手紙やメールであれば、生徒・保護者が落ち着いて内容を読み返すことができ、値上げ理由や新料金・適用時期を正確に伝えられます。多くの教室では、まず手紙やメールで正式に案内し、必要に応じて口頭で補足するという組み合わせが取り入れられています。
ポイント — 文例はそのまま使わず、言葉を合わせる
上記の例文はあくまでベースです。日頃の生徒・保護者とのやり取りの雰囲気に合わせて、少し言葉を柔らかくしたり、具体的なエピソードを添えたりすると、より自分らしい案内文になります。
値上げは「支払う金額が増える」だけでなく、「得られる価値も増える」とセットで伝えることが大切です。
月謝の値上げは、生徒を大切にしないことではありません。むしろ、教室を長く続けていくための、必要で前向きな選択です。
適切なタイミング・妥当な金額・丁寧な伝え方さえ押さえれば、値上げによって生徒が離れてしまうケースは決して多くありません。そして、値上げへの不安を小さくする一番の方法は、「値上げしても選ばれ続ける教室」であることです。日頃から生徒との関係を大切にし、教室の価値を発信し続けることが、結果的に値上げしやすい教室づくりにつながります。
月謝の改定履歴や生徒ごとの支払い状況は、Clé du Solでまとめて記録しておくと、次の値上げの判断材料にもなります。